Webスクレイピングを行う方法はいくつもあり、その中でもさまざまな言語が候補としてありますが、JavaでもWebスクレイピングを実行できます。今回は、JavaによるWebスクレイピングの手順や注意点をご紹介します。
Webスクレイピングとは、Web上の特定の情報を自動的に抽出する技術です。スクレイピング(Scraping)とは「Scrape(こする・かき出す)」からきており、情報をこするようにかき出すといった意味となります。
Webスクレイピングはただの情報リサーチではなく、Web上の膨大な情報から必要な情報を抽出する際に行う方法であり、企業が求める重要な情報リサーチの方法として活用されています。
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Webスクレイピングを実行する場合、スクレイピングツールやサービスを利用する方法と、プログラミング言語を用いて自ら実行する方法があります。
Webスクレイピングに適したプログラミング言語の候補としては、Python、PHP、Ruby、JavaScript、Javaなどがありますが、一般的にはPythonが使われることが多くなっています。
Webスクレイピングは「Webクローラー」と「Webスクレイパー」の2つで構成されているため、プログラムも主に2つの機能を実装することになります。この「Webクローラー:とは、クローリングを行うロボットであり、Web上を巡回してテキストや画像、動画などのデータを自動的に収集・保存します。Webクローラーが必要な情報を集めてきた後に、Webスクレイパーが、必要なデータを抽出する流れとなります。
Javaというプログラミング言語でコードを記述し、Webスクレイピングを行う方法の概要をご紹介します。
Javaという言語の特徴から確認しておきましょう。Javaは、Sun Microsystems(サン マイクロシステムズ)社によって開発されたオブジェクト指向プログラミング言語です。
「Write once, Run anywhere(一度書けば、どこでも実行できる)」という理念があり、Java でコーディングすればプラットフォームを問わずに実行できるという特徴があります。その汎用性の高さと環境への非依存性から、Webサービスから業務系システム、組み込み、スマホアプリまで、さまざまな分野に利用されています。加えて、JavaはWebスクレイピング用のプログラムを組むことも可能です。
次に、JavaでWebスクレイピングを行う基本的な流れを押さえておきましょう。
あらかじめ、どのWebサイトの情報をスクレイピングするのかを決めます。
Javaの開発環境を構築します。プログラミングを行う際には、エディタでコードを記述した後、実際に動作するかどうかの実行を試す環境が必要になります。「コンパイラ」と呼ばれる、コンピュータが解釈・実行できる形式にコードを変換するプログラムや、プログラムの不具合や誤りを発見して修正する「デバッガー」などが必要です。
コードをエディタなどに記述します。
コンパイルしてプログラムを実行します。想定した動作が行わなければ、修正して、正しく動作するまでやり直します。
JavaでWebスクレイピングを行う方法を解説します。
Javaの開発環境は、主に「JDK(Java Development Kit)」と統合開発環境を利用して構築します。JDKは、Javaの開発に必要な最低限の環境一式が揃っているキットです。主に、Javaの実行環境であるJRE(Java Runtime Environment)や、コンパイラ、デバッガー、ライブラリなどが含まれます。
ライブラリとは、プログラムを書きやすくするために、使用頻度の高いコードを効率的に利用できるようにまとめたものです。
また、統合開発環境とは、Javaの開発をスムーズに進めるために必要な機能を1つにまとめたソフトウェアのことです。「Eclipse」や「IntelliJ IDEA」が有名です。
これらをコンピュータにインストールして開発環境を構築します。
Webスクレイピングを行う際には、すでにスクレイピングの機能が揃うライブラリを利用するのが一般的です。複数の選択肢がありますが、今回はよく利用されるjsoupというライブラリを使用します。開発環境においてjsoupを使えるようにしておきましょう。
jsoupライブラリを用いてコードを記述していきます。
例として、「https://www.XXXXXX.co.jp」というサイトから、一部の情報をスクレイピングするプログラムを書いてみましょう。
上記のコードをコンパイルして実行すると、「h3」の要素が一覧で抽出できます。期待した結果でなかった場合には、コードを見直して再度実行しましょう。
Javaを利用したWebスクレイピングの注意点をご紹介します。
今回は、Javaを利用した方法をご紹介しましたが、他にWebスクレイピングを行えるプログラミング言語は複数あります。目的に応じて最適な言語を選択しましょう。
例えば、簡単なタスクであればPythonがより利便性が高く、大規模なリサーチで高速な処理が必要な場合はJavaが適しているでしょう。
スクレイピング言語を問わず、Webスクレイピングを行う際は著作権や個人情報の保護に関する法令に違反することがないよう、注意しましょう。
関連記事:Webスクレイピング・Webクローリングと著作権法について。注意点を解説
また、自らプログラミングを行う場合、制限なく自由に実装できてしまうため、高頻度で大量のデータを取得するといったことも不可能ではありません。もし頻繁にスクレイピングを実行してしまうと、取得先のサーバーに大きな負荷がかかり、サーバーダウンなどを引き起こして業務妨害となる恐れもあります。アクセス頻度にも注意しましょう。
Javaを用いたWebスクレイピングによってビジネスが発展する可能性があるものの、そもそもエンジニアが不在で、環境構築のノウハウがない、対応工数が確保できない、といった状況では、実行ハードルが高いでしょう。その場合には、スクレイピングツールやサービスを利用して、スクレイピング自体は専門会社に委託するといった方法もおすすめです。
JavaによるプログラミングでWebスクレイピングを実施することは可能です。ただし、Javaに限らず、状況に応じて最適な方法、言語の選択を行うことをおすすめします。
上述の通り、技術面・リソース面で自力でのWebスクレイピングが難しい状況であれば、Webスクレイピングサービスの利用も一つの選択肢となりますが、その際は「ShtockData」をご検討ください。
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