Web上の大量の情報収集に役立てられているWebクローリングやWebスクレイピング。情報収集を自動化できるため、ビジネスで有用な手段ですが、いくつか注意点があります。できるだけリスクを減らし、有意義な情報収集を進めるためにも、Webクローリング・Webスクレイピングの注意点を確認しましょう。
まずはWebクローリングとスWebクレイピングの意味を確認しておきましょう。
Webクローリングとは、Webサイトを巡回し、Webサイトの構造や要素を探って把握した上で、情報を収集し保存する技術です。市場調査や顧客、競合に関連するニュースを取得したり、検索エンジンを構築したりする方法で活用されています。
Webスクレイピングとは、Web上の情報から必要なものだけを自動抽出する技術のことです。
その用途は幅広く、マーケティングに役立つ情報収集や株価など証券情報の取得、検索順位の収集によるSEO対策、営業リストの作成、研究データの収集などに活用されています。特に膨大なデータ量を収集したい場合には、情報収集の自動化によって大幅に効率が向上するメリットがあります。
Webクローリングとの違いは、WebクローリングがWebページを収集するのみであるのに対して、WebスクレイピングはWebページの特定の情報を抽出する点にあります。
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上述の通り、WebクローリングとWebスクレイピングは Webサイトの情報をプログラミングによって収集する手法です。人が操作してブラウザを閲覧する場合と比較すると、大量の情報を取得できる点が特徴です。
このことから、WebクローリングとWebスクレイピングを行う場合は、いくつか注意しなければならないことがあります。
Webクローリング・Webスクレイピングを行うときの具体的な注意点を解説します。トラブルが起きた事例と共に、トラブルを予防するための適切な対応策も合わせて見ていきましょう。
WebクローリングやWebスクレイピングは、高頻度で行ってしまうと、収集先のWebサイトのサーバーに負荷がかかります。これによりWebサイトが閲覧しにくくなる恐れがあります。
サーバーへのリクエストが関係しており、以下のような点を意識するとよいでしょう。
・リクエストの間隔をあける
・同時に大量のWebスクレイピングを行わず、タイミングをずらす
・対象Webサイトのアクセスが少ない時間帯にずらしてみる
・APIの利用も検討する
このような対応をしないことで、Webサイトがダウンするなどの事態になると、業務妨害にもつながりかねないため、注意しましょう。
個人情報を本人の同意なく取得する行為は法律で禁止されています。WebクローリングやWebスクレイピングの対象から外さなければなりません。また、取得した情報に著作権のあるコンテンツが含まれる場合に、著作権を無視した利用、複製などを行ってはいけません。
ただし、著作権法では「例外規定」が設けられており、この例外規定が適用される場合には許諾を得ずに著作物を利用できますが、目的外で著作物を使用することはできません。Webスクレイピングに関連する例外規定としては、「情報解析」についての言及です。詳細については、以下をご覧ください。
関連記事:Webスクレイピング・Webクローリングと著作権法について。注意点を解説
B社は、自社で展開するサービスのために会議室やイベント会場などの情報データベースを構築しましたが、競合他社にそのデータベースから情報をスクレイピングされたことに気づき、競合他社を著作権侵害で訴えました。
・著作権侵害にならないように利用する
もし著作権のあるコンテンツを収集した場合、著作権侵害にならない状態で利用しましょう。
・社内で情報取り扱いルールを明確にしておく
個人情報の収集をしないことはもちろんのこと、著作権違反にならないために、社内で情報取り扱いルールを明確にしておくことが重要です。
・目的の明確化
業務でWebクローリング・Webスクレイピングを行う目的を明確にし、それ以外の目的では行わないようにルール付けをしておくことも重要です。
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Webクローリングとwebスクレイピング は、情報収集の工数を大幅に削減し、データ活用の範囲も拡大してくれます。一方で、上述のような注意点もあります。ルールを守りながら、適切なWebスクレイピングを行いましょう。
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